2010年07月05日

S T A G E

嫌いな言葉がある


「ステージ ‘ が ’ 上がる」 だ。


この曖昧模糊な表現が好きになれない。

一方、好きな言葉がある。

「ステージ ‘ に ’ 上がる」だ。

「ステージ」は無条件に誰にでも用意されるものでない。
自身が求めないと用意されない。

もちろん、ステージは一人では作れない。
ましてやステージに上がる時には照明や音響など
大部分の全権を他人に託す。


私の母は商売をしていた。

たばこ・パン・お菓子等々…。
「何でも売ってる角のよろず屋」である。
小学校と中学校がすぐ側にあったせいか、
私の自宅でもあったその商店は
地域の人達によく知られていた。
ガキの頃よく言われたフレーズがある。

「いつもお前とこで買うたってんねんぞ」。

 子供が言いそうな事だが、
時に大人達にもそれを言われた。
とてもいやだった。

ある日母に相談したら、血相を変えてこんな風に答えた。
「あんたは絶対に売ったってるって言いなや!
だまって言わしとき!」。
少し戸惑っている私に母は続けた。
「おまえがそれを言うたら話終わってまうやろ!」。

彼女の理屈はこうだ。

売る方は「買ってもらってる」そして、
買う方は「買わせてもらってる」
それが本来あるべき姿で、
絶対にそれを越えちゃだめだと。

私が「売ったってる」と言えば、
後には売り言葉に買い言葉しか残らない。

 その時の母の論理にはなぜか妙な納得力があり、
子供心に「なるほどな」なんて思ったものだ。
それ以来その考え方は私の指針にもなっている。
いつもお客様の前で演奏を披露している私にとって、
ご来場頂いた人々に対して
「唄ったってる」になってやしないかと…。

そう、世はつねに「双方向」だという哲学だ。

ところで...。

「ステージ ‘ に ’ 上がる」

そこには人間の強い「意志」が感じられる。

だから、好きなんだ。

最新LIVEスケジュールはコチラ

KENJIRO HP:http://www.kenjiro.fm/

ツイッタやってます。@kenjiro_pf

comments

常に、”おかげさまで”という気持ちやね。

  • kuniyang
  • 2010年07月06日 23:33

そうなんです。
物事は常に双方向。
お客さんは「買ってやっている」のでもない。
勿論、商店が「売ってやっている」わけでもない。
会社は「雇ってやっている」のではない。
我々が「働いてやってる」のでもない。

みんなが「組織」を利用して生活を豊かにしているだけなんです。
あらゆる関係は常に組織を通じて「互角」です。
※P.F.ドラッカー曰く!!

  • すーちゃん
  • 2010年07月08日 00:48

>kuniyangさん

そう、あなたも私の「おかげさま」です。

>すーちゃんさん
おー、私は読んでないけどうわさの「ドラッカー」ですか。
うちのオカンはやっぱ凄いな〜!

comment form
comment form